築年数と耐震基準の関係とは?アパート・マンションの耐震性の目安

日本は地震の多い国であり、住宅の耐震性を確保することが非常に重要です。特に築年数と耐震基準の関係は、中古住宅を選ぶ際に避けて通れないポイントです。

当記事では、築年数と耐震基準の概要を分かりやすく整理し、それぞれの基準がどのような地震対策を含んでいるかを解説します。また、アパートやマンションの耐震基準を確認する具体的な方法や、安全性を高める耐震補強についても触れています。住宅の選定や安全性確認のために、ぜひご一読ください。

 

1.築年数とは?

築年数は、建物が完成してからの経過年数を指します。たとえば、2010年に建てられた建物は、2025年時点で築15年です。築年数は不動産取引において重要な指標であり、中古マンションや一戸建ての価値や状態を判断する際の基準となります。

築年数は、建物の新築年月日が記載された登記簿謄本や登記事項証明書で確認できます。また、不動産広告では建築年月の記載が義務付けられているため、その建築年月から築年数を計算することも可能です。

不動産業界では、築年数に応じて物件を分類するケースがあり、一般的に建築から1年以内の未入居物件を「新築」、1年以上3年未満の物件を「築浅」、築30年以上の物件は「築古」と呼びます。

築年数は建物の経年劣化や設備の古さを示す指標となりますが、必ずしも建物の品質や居住性を直接反映するものではありません。適切なメンテナンスや耐震リフォームにより、築年数の古い物件でも良好な状態を保つことが可能です。

 

2.築年数と耐震基準の関係

築年数と耐震基準には密接な関係があります。日本の建築物は、建てられた年代によって適用される耐震基準が異なるため、築年数は耐震性を判断する重要な指標です。特に古い住宅の耐震性を調べる際には、築年数が大きな目安となります。

耐震性を重視して中古住宅を購入する場合、2000年6月1日以降に建てられた物件は2000年基準を満たしており、震度6強以上の大地震にも対応できる耐震構造が期待できます。現在、日本の家屋は建築された年代によって「旧耐震基準」「新耐震基準」「2000年基準」の3つに分類され、大規模地震の経験や技術の進歩に伴い、段階的に強化されてきました。

以下では、「旧耐震基準」「新耐震基準」「2000年基準」それぞれの概要を解説します。

新耐震基準とは?旧耐震基準との違いや調べ方も解説!

 

2-1.旧耐震基準

旧耐震基準は、1981年5月31日以前に建築確認申請を受けた建物に適用される基準です。この基準では、10年に一度発生すると考えられる震度5強程度の中規模地震において、家屋や建物が倒壊せず、破損しても補修すれば居住可能であることが求められていました。

しかし、震度6以上の大規模地震に対しては十分な考慮がなされておらず、倒壊のリスクが高いという課題がありました。

 

2-2.新耐震基準

1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物には、新耐震基準が適用されます。新耐震基準では、震度5強程度の中規模地震でほとんど被害が出ないこと、さらに震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊しないことが要求されています。

新耐震基準は、1978年の宮城県沖地震を教訓に制定され、建物内にいる人の安全確保に重点が置かれました。

 

2-3.2000年基準

2000年6月1日以降に建築確認を受けた木造住宅には、さらに強化された2000年基準が適用され、1995年の阪神淡路大震災の教訓を踏まえて改正されました。2000年基準では、地盤調査の事実上の義務化、耐震壁(耐力壁)の配置バランス、基礎と柱などの接合部の条件が新たに定められ、木造住宅の耐震性が大幅に向上しました。

築年数は耐震基準を知る目安として有効ですが、正確な判断には建築確認日の確認が必要です。建築確認日は建築確認証や検査済証で確認できます。また、旧耐震基準の建物でも、耐震補強工事が行われている可能性があるため、その有無も確認することが重要です。

 

3.耐震基準の重要性

耐震基準の重要性は、建物の安全性と人命保護にあります。日本は地震大国であり、耐震基準は建物が地震に耐えられるよう設計されているかを示す重要な指標です。

耐震基準を満たす建物は、大地震時でも倒壊のリスクが低く、居住者の安全を確保できます。特に新耐震基準以降の建物は、震度6強から7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないよう設計されています。

耐震基準は不動産取引においても役割があり、新築・中古物件を問わず安全性の確認に使用され、特に中古住宅選定の重要な基準です。さらに、新耐震基準以降の建物は、住宅ローン減税などの税制優遇を受けられるメリットがあります。住宅ローン控除制度の利用や、登録免許税・不動産取得税の減税が可能となり、経済的な面でも重要です。

耐震基準を満たす建物では、地震保険料の割引が適用される場合があります。これは、耐震性の高い建物が地震時の損害リスクを軽減する可能性が高いためです。

以上の理由から、耐震基準は建物の安全性、経済性、そして居住者の安心を確保する上で非常に重要な役割を果たしています。

 

4.アパート・マンションの耐震基準を調べる方法

アパートやマンションの耐震基準の確認は、安全な住まいを選ぶ上で重要です。耐震基準を調べる方法はいくつかありますが、主に築年数、建築確認書類、耐震補強工事の有無を確認することで判断できます。

以下では、アパート・マンションの耐震基準の確認方法について詳しく解説します。

 

4-1.築年数を目安にして調べる

築年数は、耐震基準を知る上で重要な指標となります。1981年6月1日を境に、耐震基準が大きく変更されたためです。

  • 1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物:旧耐震基準
  • 1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物:新耐震基準
  • 2000年6月1日以降に建築確認を受けた木造住宅:2000年基準

2025(令和7)年1月現在、築43年以内の建物であれば新耐震基準を適用されている可能性が高いと考えられます。また、築24年以内の木造住宅は、より厳しい基準で建てられています。ただし、築年数だけでは正確な判断はできません。建物の竣工日と建築確認日が異なる場合があるため、次に解説する方法で確認することが重要です。

 

4-2.建築確認通知書または建築確認済証を確認する

建築確認通知書や建築確認済証は、建物が建築基準法に適合していることを証明する公的な書類です。建築確認通知書や建築確認済証には建築確認日が記載されており、建物がどの耐震基準に基づいて設計されたかを判断する手がかりとなります。

建築確認通知書 建築計画が建築基準法に適合していることを示す書類
建築確認済証 建築工事の完了後に発行される、建物が建築基準法に適合していることを証明する書類

上記の書類は、不動産会社や管理会社に問い合わせれば入手できる場合があります。また、建物の所有者が保管していることもあります。

 

4-3.耐震補強工事の有無を調べる

旧耐震基準で建てられた建物でも、耐震補強工事が行われていれば、現行耐震基準を満たしている可能性があります。耐震補強工事の有無は、以下の方法で確認可能です。

  1. 不動産業者や管理会社に問い合わせる
  2. 建物の外観や内部で補強工事の痕跡を確認する(筋交いや耐震壁の追加など)
  3. 耐震改修工事の証明書や報告書を確認する

耐震補強工事が行われていない場合は、耐震診断を専門家に依頼することをおすすめします。耐震診断では、建物の構造や強度・耐力を調査し、耐震基準への適合状況や補強の必要性を評価します。診断の結果、耐震性が不足していると判断された場合は、耐震補強工事の検討が必要です。

上記で紹介した複数の方法を組み合わせれば、アパートやマンションの耐震基準をより正確に把握できます。安全な住まいを選ぶ際は、耐震基準や耐震補強工事の有無を確認し、必要に応じて建築士など専門家のアドバイスを受けることが大切です。

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まとめ

築年数と耐震基準の関係は、住宅の安全性を判断する上で非常に重要です。1981年以降に適用された新耐震基準や2000年の建築基準法改正は、震度6強以上の大地震にも対応できる設計を求めており、耐震性の大幅な向上を実現しました。一方、旧耐震基準の建物でも、耐震補強工事によって現在の基準を満たすことが可能です。

不動産選びの際は、築年数だけでなく建築確認日や補強状況の確認が大切です。地震から家族や財産を守るため、安全な住まいの選定を心がけましょう。