内窓リフォームの費用相場|内窓の基本情報とリフォームのポイントも

冬は暖かく、夏は涼しい快適な住まいを求める場合、内窓リフォームの検討がおすすめです。一方で「内窓リフォームって一体どれくらいの費用がかかるの?」「どのようなメリット・デメリットがあるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

当記事では、内窓リフォームの費用相場や、内窓の種類や選び方、リフォームのポイントなどを紹介します。「今まさに内窓リフォームを検討している」という方はもちろん、「内窓リフォームに興味はあるけど、どこから手をつければいいか分からない」という方も、ぜひ参考にしてください。

 

1. そもそも内窓とは?

内窓とは、既存の窓の内側に新たに設置する窓のことです。二重窓やインナーサッシとも呼ばれます。

以下では、内窓をつけるメリット・デメリットをそれぞれ分かりやすく紹介します。

 

1-1. 内窓リフォームのメリット

内窓リフォームの主なメリットは、以下の通りです。

  • 断熱効果の向上
  • 結露防止
  • 防音効果
  • 防犯効果

窓は住宅の熱の出入り口となるため、内窓を設置することで室内の温度を安定させることが可能です。冬は暖かい空気を、夏は涼しい空気を逃がしにくくなり、光熱費の節約につながります。

また、カビは、温度が15~30℃、湿度が70%以上の環境で活発に繁殖します。結露が発生しやすい場所は、これらの条件を満たしていることが多く、カビの発生に適した環境です。内窓と既存の窓の間に空気層ができることで、窓ガラスの表面温度が上がり、結露が発生しにくくなります。

さらに、内窓によって、外からの騒音を軽減し、静かな室内空間を実現できるため、道路沿いや騒音源の近くに住んでいる方におすすめです。

内窓は防犯観点でも役立ちます。窓が二重になることで、窓ガラスを破って侵入しようとする際に、より多くの時間と労力が必要になります。侵入犯にとっては、手間のかかる作業となるため、内窓がある家を狙う可能性が低くなるでしょう。内窓に補助錠を取り付けることで、防犯性をさらに高めることが可能です。

 

1-2. 内窓リフォームのデメリット

内窓リフォームは、断熱性や防音性、結露防止など、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。リフォームを検討する際には、メリットだけでなく、以下のようなデメリットについてもよく理解しておくことが大切です。

  • 初期費用が高い
  • 窓の開け閉めが少し手間になる
  • 掃除の手間が増える
  • 室内が少し狭く感じる

内窓の種類や設置場所、窓の数などによって費用は異なりますが、一般的に窓の数が多いほど費用は高額になる傾向があります。内窓と既存の窓で2枚の窓になるため、窓の開け閉めに少し時間がかかる点や、掃除の手間が増える点も念頭に置いておきましょう。

他にも、内窓を設置することで、窓の内側にスペースが生まれるため、結果的にこれまでよりも室内が少し狭く感じることがあります。

すべての窓に内窓を設置するのではなく、特に冷暖房効率が悪い窓や、結露が発生しやすい窓に設置することで費用を抑えることが可能です。また、掃除しやすいように、窓のレールがフラットなタイプや、分解して洗えるタイプの内窓もあります。

 

2. 内窓リフォームにかかる費用の相場

内窓リフォームの費用は、窓のサイズ・種類・設置場所・使用する内窓の種類などによって大きく異なりますが、一般的に1窓あたり3万~10万円程度が相場です。

一般的には、窓の大きさと比例して、「小窓<腰高窓<掃き出し窓」の順に高くなる傾向があります。他にも、断熱性能や遮音性能が高い高性能な内窓ほど、費用は高くなります。

 

2-1. 複数か所の工事で割安となることも

一般的に、内窓リフォームを複数か所まとめて行うことで、人件費を削減できる可能性が高まります。

複数の窓をまとめて施工することで、業者が何度も現場に足を運ぶ手間が省け、移動時間や交通費の削減につながるため、結果的に人件費を抑えられます。また、複数の窓を同時に施工すると、道具の準備や後片付けなどの準備作業を一度に済ませることが可能です。作業効率が向上し、人件費削減につながる可能性があるでしょう。

一度に複数の窓を依頼することで、業者によっては割引が適用される場合があります。工事の規模が大きくなるほど、割引率も大きくなるケースも考えられるでしょう。

ただし、人件費を削減できる可能性はありますが、すべての窓を一斉に交換するとなると、初期費用が大幅に増加します。費用対効果をしっかり計算し、自身の予算と照らし合わせて検討することが大切です。

 

3. 内窓リフォームのポイント

内窓リフォームは、住まいの快適さを高めるための有効な手段の1つです。断熱性や気密性の向上、防音効果、結露防止など、さまざまなメリットが期待できます。

以下では、内窓リフォームのポイントをいくつか紹介します。

 

3-1. 場所や目的に適したガラスを選ぶ

二重窓のガラスは、種類によって断熱性・遮音性・防犯性などが大きく異なります。ご自身・ご家族のニーズに合ったガラスを選ぶことで、より快適な住環境を実現できます。

主な二重窓のガラスの種類と特徴は、以下の通りです。

  • 単板ガラス
    最もシンプルな1枚ガラスです。価格が安価ですが、断熱性・遮音性・防犯性が低い点が特徴です。
  • 複層ガラス
    2枚のガラスの間に空気層を持つ構造の窓ガラスです。断熱性が高く、結露防止に効果的ですが、遮音性はそれほど高くありません。
  • Low-E複層ガラス
    ガラス表面に、Low-E膜と呼ばれる特殊な金属膜をコーティングすることで、日射熱を反射し、室内の温度を一定に保ちます。断熱性や遮熱性が高いのが特徴です。
  • 合わせガラス
    2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟んだ構造です。防犯性が高く、割れても破片が飛び散りにくい点が特徴です。遮音性も向上します。
  • 真空ガラス
    2枚のガラスの間に真空層を持つ構造です。断熱性や遮音性が非常に高く、結露防止にも非常に効果的です。

例えば、冬の寒さ対策や夏場の暑さ対策を重視したい場合は、複層ガラス・真空ガラス、Low-E複層ガラスなどがおすすめです。外からの騒音を軽減したい場合は、合わせガラスや真空ガラスがおすすめです。

 

3-2. 補助金制度を活用する

国や地方自治体によって、内窓リフォームに対して補助金が支給される場合があります。これらの補助金制度を活用することで、リフォーム費用を抑えることができるため、ぜひ検討してみてください。特に、内窓は断熱効果が高く、住宅の省エネ化に貢献します。補助金制度は、このような省エネ化を促進するための取り組みの一環として実施されていることが多いです。

2024年に実施されている制度の例としては、以下の通りです。

  • 先進的窓リノベ2024事業
    先進的窓リノベ2024事業は、住宅の窓を断熱性の高いものに交換することで、住まいの省エネ化を促進し、CO2排出量を削減することを目的とした国の補助金制度です。具体的には、住宅の窓を断熱性の高いものに交換する工事に対して、一戸あたり最大200万円の補助金が支給されます。補助金の対象となる工事は、窓のガラス交換だけでなく、内窓の設置、外窓の交換なども含まれます。
  • 子育てエコホーム支援事業
    子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯が、より快適で省エネな住まいに住めるように、国が支援する制度です。長期優良住宅やZEH水準住宅といった高性能な住宅を購入する場合、最大で100万円の補助金が支給されます。また、住宅の断熱性能を向上させるリフォームを行う場合も制度の対象です。

出典:先進的窓リノベ2024事業「事業概要」

出典:子育てエコホーム支援事業「子育てエコホーム支援事業について」

 

3-3. 実績のある信頼できる業者を選ぶ

内窓リフォームは、専門的な知識と技術が必要な工事です。安易に業者を選んでしまうと、施工不良やトラブルにつながる恐れがあります。内窓リフォームの実績が豊富であるか、ホームページや施工事例などで確認しましょう。

住宅の状況に合わせて、最適な内窓や施工方法を提案してくれるか、複数の選択肢を提示してくれるかなども重要なポイントです。

 

まとめ

内窓リフォームを行う際は、信頼できる業者を選ぶことが大切です。業者と打ち合わせをする際は、初めての内窓リフォームでも分かりやすく説明してくれるか、疑問に思ったことを気軽に質問できるかなどを、事前に確認しましょう。

また、注文する前に、見積書には、内窓の種類・数量・工事内容・総額などが明確に記載されているかの確認も大切です。不明な点は、発注前に必ず質問しましょう。

金額が適正かを見極めるためにも、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。