和室があるものの、古くなってきた・使い勝手が悪いといった理由でリフォームを検討されるケースは少なくありません。しかし、リフォームにはどのような種類があるか・どのくらいの費用がかかるか分からず、迷っているという方もいるでしょう。
この記事では、和室のリフォームの種類などの基本情報に加え、5つの費用相場別のリフォームの事例を紹介します。リフォーム費用を抑えるコツや、リフォームの失敗しないためのポイントにも触れるため、ぜひご一読ください。
1. 和室リフォームの種類
和室のリフォームには、主に次の3つの方法があります。
和室としてリフォームする |
---|
和室の劣化や不具合などを修繕し、使い勝手や見た目を改善するリフォームです。代表的なケースとしては、畳や障子・襖の張り替え・交換といった建具のリフォームが挙げられます。建具のリフォームを行うだけでも雰囲気や使いやすさが大きく向上するでしょう。 また、壁・天井をリフォームするケースもあります。砂壁の場合は、メンテナンスの手間を考慮してクロスへの貼り替えを行うケースも少なくありません。 |
和室から洋室にリフォームする |
---|
最近では、和室から洋室へと大がかりなリフォームを行うケースも増えています。壁・床・天井・建具など部屋全体を洋室にリフォームする場合は大がかりな工事になり、費用が高くなりやすいため注意が必要です。 |
和モダンな空間にリフォームする |
---|
和室の一部を洋風に変更し、和モダンテイストな空間にリフォームするケースもあります。和モダンとは、伝統的な和風のデザインと洋風な要素を融合させたデザインのことです。部屋全体を洋室にリフォームするよりも費用を抑えやすいというメリットもあります。バランスよく和洋折衷な部屋を作り上げれば、生活しやすさと和室らしいあたたかさとを両立させられるでしょう。 |
リフォームを検討する際は、工事を行う目的や、リフォーム後の理想の部屋についてよく考えておくことがおすすめです。
2. 【費用相場別】和室リフォームの事例
和室のリフォームにかかる費用は10万円未満から100万円以上までさまざまです。費用相場は施工内容や規模によって大きく変わるため、予算と照らし合わせながら検討する必要があります。
費用相場別に和室リフォームの施工事例を紹介するので、参考にしてください。
2-1. 約10万円未満の場合
約10万円未満でできる和室リフォームの事例は以下の通りです。
- 襖、障子の張り替え
- 畳の交換
- 建具の変更
- 壁・天井のクロスへの張り替え
上記のように、和室の一部のみのリフォームであれば、10万円未満で工事を行えるケースもあります。
襖や障子の張り替えは1面2,000~6,000円程度が目安であり、1部屋すべて施行しても10万円未満で収まるケースが多いです。畳を張り替える場合も、表面のみ帰る表替えであれば10万円未満で施行できる場合も多くなっています。ただし新品に交換する場合、襖・障子・畳はいずれもグレードによって費用帯が変動するため注意が必要です。
壁・天井は塗り替えを行うと一般的に10万円以上かかりますが、クロスに張り替える場合は10万円未満に抑えられるケースもあります。
2-2. 約10万~20万円の場合
約10万~20万円でできる和室リフォームの事例は以下の通りです。
- 畳の交換
- 押し入れからクローゼットへの変更
- 壁の塗り替え
畳を新調する費用は、1畳あたり9,000~3万円程度が目安となっています。部屋の広さや畳のグレードによっても変わりますが、予算は10万~20万円程度で考えるとよいでしょう。
一般的に、収納スペースを押し入れからクローゼットに変更する場合の費用相場は約10万~20万円となります。ただし、押し入れ内部を広く活用してウォークインクローゼットにリフォームする場合は、約50万円の予算が必要です。
2-3. 約20万~50万円の場合
約20万~50万円でできる和室リフォームの事例は以下の通りとなります。
- 畳からフローリングへの張り替え
- 内装全般の変更
- ドアの造作
- 古くなった建具の一新
畳交換や壁・天井のクロスの張り替え、襖の張り替えといった内装リフォームは、50万円以下で可能な場合も多くなっています。自然素材にこだわったリフォームなど、和室のまま部屋全体の雰囲気をがらりと変えることも可能です。
畳からフローリングへの張り替えも、約20万~50万円が相場となる場合が多くなっています。壁のクロスの張り替えとセットで依頼しても50万円以下となるケースが多い傾向です。
2-4. 約50万~100万円の場合
約50万~100万円でできる和室リフォームの事例は以下の通りとなります。
- 和室から洋室へのリフォーム
- 掘りごたつの増設
和室全体を洋室にリフォームする場合の費用相場は約75万~100万円です。一部ではなく完全に洋室に変更する場合は、床・天井・押し入れを解体する大がかりな工事になります。
また、和室に掘りごたつを増設する場合の費用相場は約50万~60万円です。掘りごたつを設置する場合は床材を剥がして穴を掘る必要があり、デザイン性などにこだわると100万円以上かかるケースもあります。
2-5. 約100万円以上の場合
間取りの変更・増設が必要なリフォームを行う場合、費用は100万円以上かかると考えてよいでしょう。以下のようなリフォーム事例では、費用相場は約100万円以上となります。
- 洋室への変更およびロフトの増設
- 和室の一新および洗面所の増設
- 和室をリセットしウォークインクローゼットに変更
和室の全面リフォームを行ってこだわりのスペースを作りたい場合、工事費用が高額になりやすい傾向があります。
3. 和室リフォーム費用を抑えるためのコツ
和室のリフォームは費用の高さがネックになることも少なくありません。和室リフォームの費用をなるべく安くするためには、以下で紹介するコツを押させるとよいでしょう。
複数業者に相見積もりを取る |
---|
工事内容は同じでも、リフォーム業者によって金額が変わります。そのため、複数の業者に相見積もりを取り、比較した上で依頼先を決めることが大切です。ただし、不自然に安すぎる場合や、費用の内訳があいまいな場合は詐欺などのトラブルに巻き込まれる可能性があるため、依頼するのは避けましょう。 |
グレードを下げる |
---|
リフォームは細部までこだわるほど費用が上がります。導入するインテリアや設備に安いものを選んだり、畳などの素材を高級品から一般品に変えたりすれば、費用を抑えることが可能です。ただし、グレードを下げすぎるとリフォーム後に満足できない可能性があるため、慎重に検討しましょう。 |
工事するエリアを絞る |
---|
リフォームは工事するエリアの数によっても費用が変動します。既存の部分も、そのまま使えそうであれば無理に変更せず、リフォーム後の部屋に活かすことも視野に入れるとよいでしょう。 |
4. 和室リフォームに失敗しないためのポイント
和室をリフォームで失敗しないためのポイントは以下の通りです。
和室と洋室の構造の違いを考慮する |
---|
和室から洋室にリフォームする場合、床の高さに問題がないかを確認する必要があります。和室と洋室では床の構造が異なり、襖から開き戸に変更する際には、畳の厚みとフローリングの厚みの差の調節・補強といった工事が必要です。床工事にも費用がかかるため、開き戸ではなく引き戸を導入するなど、対策を考える必要があります。 |
ほかの部屋とのバランスを考える |
---|
リフォームする部屋に集中しすぎると、ほかの部屋とのデザインの差が大きくなり、アンバランスな印象になりかねません。特にリビングの一角に和室スペースがある間取りの場合、リビングとテイストを変えすぎると空間全体の雰囲気のバランスが崩れてしまいます。ほかの部屋の要素も取り入れるなどして、住宅全体に調和するように気を付けましょう。 |
遮音性・防音性を意識する |
---|
畳から全面フローリングにリフォームすると、遮音性・防音性が低下して騒音トラブルにつながる可能性があります。和室から洋室にリフォームする際には、防音性の高い床材を使用するなどの対策を取るとよいでしょう。 |
まとめ
和室には、和室としてリニューアルするほか、洋室や和モダンな空間に変更するといったリフォーム方法があります。部分的な工事であれば10万円以下で済む一方で、細部までこだわった大がかりな工事をする場合は100万円を超えることも少なくありません。なお、和室を洋室に変えるリフォームには75~100万円程度かかると言われています。
リフォーム費用を抑えたい場合、複数社で見積もりを取るほか、グレードや施工箇所をよく検討することが大切です。また、リフォームにあたって室内の構造を把握したり、ほかの部屋とのバランスを考えたりすることが失敗の防止につながります。